上下の歯と歯が接触していない

開咬とは

開咬は奥歯で噛んでも前歯同士がくっつかない歯並びの問題で、上下の前歯の間に隙間ができてしまう状態です。見た目の問題だけでなく、毎日の食事や話をする時にも困ることが多く、そのまま放っておくと症状がひどくなる場合もあります。
開咬になってしまう原因

小さな頃の癖が長く続くことによる影響
開咬になる一番多い理由は、小さな頃の指しゃぶりや舌を前に出す癖です。指しゃぶりは本来なら2歳から3歳頃には自然にやめるものですが、それより長く続いてしまうと前歯が少しずつ前の方に押し出されてしまいます。また、食べ物を飲み込む時や何もしていない時に、無意識に舌を前歯の間に入れてしまう癖も、同じように歯を動かしてしまう原因になります。
鼻呼吸から口呼吸に変わることで起きる問題
鼻づまりや扁桃腺が大きくなることが原因で口呼吸が習慣になると、お口の中の筋肉のバランスが崩れ、舌の位置が下がり、前歯を内側から支える力が弱くなります。
口呼吸によってお口の中が乾燥しやすくなることで、虫歯や歯ぐきの病気にもかかりやすくなります。いつもお口が開いた状態が続くことで、お顔の筋肉の成長にも変化が生じることがあります。

開咬の症状と特徴

食事の時に感じる不便さや歯の寿命の縮小
開咬の方が最も実感されるのが、食事のしづらさです。前歯が使えない分、奥歯に負担がかかりやすく、食事にも時間がかかることがあります。奥歯に負担がかかることで奥歯が割れやすく、寿命が短くなることがあります。
お口元の見た目や発音の影響
いつもお口が少し開いた状態になってしまうため、お口を閉じようとすると意識的に力を入れる必要があり、オトガイ部が緊張したり、笑った時に前歯の隙間が目立つこともあります。また、前歯の間に隙間があることで、特にサ行やタ行の発音がはっきりせず、話している時に息が漏れる感じがしたり、舌足らずな印象を与えてしまうことがあります。

開咬の治療法

軽度の場合
前歯の隙間が2ミリ以下の比較的軽い開咬であれば、部分矯正で良くなることがあります。舌の癖を直す練習と組み合わせることで、短い期間での改善も期待できます。治療期間は半年から1年程度と比較的短く、費用の面でも全体矯正より負担が少なくなります。

中程度の場合
前歯の隙間が2ミリから4ミリ程度の中程度の開咬では、歯並び全体を整える矯正治療が必要になることが一般的です。透明なマウスピース矯正や、ワイヤー矯正など、患者様の生活スタイルに合わせた方法を選んでいただけます。
当歯科医院ではインビザライン治療の豊富な経験があり、中程度の開咬に対しても良い結果を得ています。表側の矯正治療では、デーモンシステムやシリコン製のブラケットを使用し、痛みを抑えた快適な治療を心がけています。治療期間は1年半から2年半程度を予定しています。

重度の場合
前歯の隙間が6ミリを超える開咬や、骨格的な問題が大きい場合には、矯正治療だけでなく手術が必要になることもあります。専門的な知識と経験に基づいて最適な治療方針を決めさせていただきます。 他の歯科医院で歯を抜く必要があると言われた患者様でも、当歯科医院では歯を抜かずに治療できる場合があります。大切な歯をできるだけ残しながら、しっかり噛めて美しい歯並びを目指しています。必要に応じて口腔外科との連携も行い、患者様にとって最も良い結果が得られるよう努めています。
開咬と似ている
主な歯並びの問題
- 上顎前突(出っ歯)
- 過蓋咬合(噛み合わせが深い状態)
- 叢生(歯並びがでこぼこの状態)
- すきっ歯(歯と歯の間に隙間がある状態)
- 顎関節症
- 舌小帯短縮症
対象の診療

- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
- 小児矯正(18歳以下のお子さまの場合)