すきっ歯

すきっ歯とは

前歯に隙間があるすきっ歯は、笑ったときや話すときに気になる歯並びの一つです。見た目だけでなく、話しにくさや食べ物が詰まりやすいといった日常の困りごともあります。
すきっ歯になってしまう原因

生まれつきの体の特徴
すきっ歯の原因で一番多いのは、生まれつきの顎の大きさや歯の形によるものです。顎に対して歯が小さいと、歯と歯の間に自然と隙間ができてしまいます。特に上の前歯は目立ちやすく、2ミリ以上の隙間があると「正中離開」と呼ばれる状態になります。 また、上唇小帯と呼ばれる上唇と歯ぐきをつなぐ膜が太すぎると、前歯の間に入り込んで隙間を作り、すきっ歯になることもあります。
普段の生活習慣による影響
舌で前歯を押す癖は、すきっ歯の大きな原因の一つです。舌の力は思っている以上に強く、無意識に続けることで、少しずつ前歯が前に押し出されていきます。
鼻が詰まりやすくて口で息をする習慣がある方も要注意です。口で息をしていると舌の位置が下がって、前歯を押すようになってしまいます。 頬杖をつく癖や、いつも同じ方向を向いて寝る習慣なども、長く続くと歯並びに影響することがあります。

すきっ歯の症状と特徴
見た目への影響
一番分かりやすい症状は、前歯の隙間が目立ったり、笑ったときや話すときに隙間が見えることです。
特に上の前歯の真ん中に隙間がある場合、正面から見たときに一番目立ちやすく、第一印象に大きく関わってきます。


話すときの影響
すきっ歯があると、話すときに息が隙間から漏れて、うまく発音できないことがあります。特に「さしすせそ」や「たちつてと」を言うときに息が抜けることがあります。
食事のときの影響
歯の隙間に食べ物が詰まりやすくなって、食事のたびに不快に感じることがあります。

すきっ歯の際の治療法

軽い叢生の場合
2ミリ程度の軽い隙間なら、「部分矯正」で治すことができます。全体の矯正と比べて期間が短くて、費用も抑えることができます。透明なマウスピースを使った治療もできて、周りの人に気づかれにくく普段の生活への影響も少なくて済みます。

普通の隙間の場合
3〜5ミリ程度の隙間がある場合は、全体矯正治療が必要になることが多いです。ワイヤー矯正や、透明なマウスピースを使った新しい方法など、患者さまの生活に合わせて選ぶことができます。治療期間は6ヶ月から1年程度で、1~2か月に1回通院して少しずつ歯を動かしていきます。舌で前歯を押すクセが原因の場合は、矯正治療と一緒にクセを治すための練習も行います。上唇と歯ぐきをつなぐ膜が太い場合は、小さな手術でその膜を切ることもあります。

大きな隙間の場合
5ミリ以上の大きな隙間や、いくつかの歯に隙間がある場合は、全顎的な矯正治療が必要です。歯の本数が足りず、隙間が大きすぎる場合は、矯正治療で隙間をまとめてから、インプラントやブリッジ、入れ歯で補う治療も考えます。治療期間は2〜3年程度かかることが多く、患者さまにも頑張ってご協力していただく必要があります。
すきっ歯と似ている
他の歯並びの問題

- 重歯・ガタガタの歯並び
- 出っ歯
- 受け口
- 前歯が噛み合わない
- 噛み合わせが深すぎる
- 横にずれた噛み合わせ
対象の診療

- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
- 小児矯正(18歳以下のお子さまの場合)